東京慈恵会医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科

医局活動update

2013年

11月

11/14 糖尿病・内分泌リサーチカンファレンスがプリンス・ザ・パークタワーで開催されました。

「糖尿病と睡眠障害」と題して、久留米大学医学部 神経精神医学講座 内村直尚教授にご講演いただきました。糖尿病と睡眠障害の密接な関係を病態生理の解説のみならず、実臨床での処方のコツについても詳細にお話いただきました。すぐに役立つ内容ばかりで医局員一同、大変勉強になりました。素晴らしいご講演をいただきましてありがとうございました。

11/21 国際医療談話会が学士会館で開催され、ノーベル化学賞受賞者の根岸英一先生(パデュー大学特別教授)の講演を拝聴しました。

「根岸カップリング」について大変刺激的なお話を聞かせていただくことができました。またとない機会を作ってくださった当科OBの石橋健一先生(日本国際医学協会常務理事)に、この場を借りてお礼申し上げます。

11/30 第13回日本先進糖尿病治療研究会が、西村理明准教授を当番世話人として行われました。

CGM、CSII、人工膵臓にまつわる演題が多数報告され、最後に京都大学の川口義弥先生から、iPS細胞を用いた膵再生医療の展望について御講演がありました。医局員一同にとって、研究活動への意欲が高まる意義深い会となりました。(辻野大助 記)

今月の研修医発表は次の通りです。いずれも素晴らしい発表で、活発なdiscussionが行われました。指導にあたってくれた辻野先生、林先生、お疲れ様でした。

大塚玲奈(研1) 
 ①Association of Testosterone Therapy With Mortality, Myocardial Infarction, and Stroke in Men With Low Testosterone Levels (JAMA 2013)
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 ②subclinical acromegalyとsbuclinical Cushing's diseaseの合併が疑われた一例
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伊藤 研(研2) Efficacy and safety of canagliflozin versus glimepiride in patients with type 2 diabetes inadequately controlled with metformin (CANTATA-SU): 52 week results from a randomised, double-blind, phase 3 non-inferiority trial(Lancet 2013).
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佐々木 麻弥(研1) 妊娠初期に血糖コントロール目的で入院した1型糖尿病の1例
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10月

第3回宇都宮杯が開催されました。

今年で3回目になりました宇都宮杯は、残念ながら天気に恵まれず、急遽ソフトボール大会をお台場でのボーリング大会へと変更し、BBQはレストランでの会食となりました。しかし、大雨にも関わらず今年はレジデントの先生を中心とした若い先生方に大勢参加して頂きました。ボーリングの参加人数はお子様を含めると、なんと35人にもなりました。ご家族と一緒に参加してくださった方も多く、なかなか見られない医局員の普段の姿が垣間見ることができ、親睦に繋がったようです。また、ボーリングは学生時代以来という方も多かったと思いますが、翌日の腱鞘炎も恐れずに大変盛り上がることができました。BBQのサプライズ食材として用意していたフィレ肉塊とロブスターは、ボーリングの景品として優勝された宇都宮教授チームの皆様の胃袋を大変喜ばせることができたようです。
来年は天気の左右されない会場をまた検討してゆきたいと思っておりますので、お楽しみにしていてください。(林 毅 記)

辻野大助 助教が平成25年度慈恵医師会研究奨励賞を受賞しました。

今回、平成25年度の慈恵医大医師会研究奨励賞を受賞させて頂くことになりました。身に余る光栄であり、貴重なご指導を賜りました宇都宮一典主任教授、研究のデザインから解析まで熱く指導して下さった西村理明准教授、また、本研究に関わって頂いた全ての方々に深く感謝申し上げます。私共は2006年から、本邦の先駆けとして持続血糖モニター(CGM)を導入し、様々な研究を進めて参りました。研究成果をまとめ、既に当講座からは多数の原著論文が発信されております。今後ともCGM等の血糖コントロールを改善する上で有益な最新のツールに注目していきつつ、1型糖尿病を中心とした日常臨床及び臨床研究に尽力していきたいと思っております。今後ともよろしくお願いいたします。

今月の研修医・レジデントの発表は以下の通りです。いずれもレベルの高い内容の発表で、活発な質疑応答が交わされました。

澤野祥子(レジ1)Alogliptin after Acute Coronary Syndrome in Patients with Type 2 Diabetes (NEJM 2013)
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鈴木静香(レジ1)Racial differences in the association of serum 25-hydroxyvitamin D concentration with coronary heart disease events. (JAMA 2013)
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森武美帆(レジ1)下垂体術後に汎下垂体機能低下症をきたした一例
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9月

9/5 愛宕糖尿病治療フォーラムが開催されました。

本学OBの先生方に広く声をかけて行っている研究会です。今回は佐々木敬教授による基調講演「生体内情報ハイウェイと代謝調節」が行われました。懇親会も開かれ、盛会裏に終了致しました。

9/7 第2回公開研究会が開催されました。

今年は平成16年卒以降の医局員が基礎研究・臨床研究・症例報告について発表を行いました。また、西村理明准教授による特別講演「若手医師のためのCGM・CSII入門」が行われました。活発な討議が交わされ、若手の先生にとって大いに刺激になったことと思います。来年も引き続き開催予定です。プログラムはこちらから

9/13-14 旭川で糖尿病合併症学会が開催されました。

当科からも多くの医局員が参加致しました。

9/22

TBS放送「健康カプセル!ゲンキの時間」に西村理明准教授が出演し、かくれ糖尿病について解説を行いました。

今月の医局会での研修医・レジデント発表は以下の通りです。

いずれも素晴らしい発表ばかりでした。発表者の先生方、指導医の先生方お疲れ様でした。

小松嵜 陽(研2)
"Linagliptin for patients aged 70 years or older with type 2 diabetes inadequately controlled with common antidiabetes treatments: a randomised, double-blind, placebo-controlled trial." (Lancet 2013)

渡辺 恭子(レジ1)
"Cardiovascular Effects of Intensive Lifestyle Intervention in Type 2 Diabetes" (NEJM 2013
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都筑 美紗(レジ1)
"risk of incident diabetes among patients treated with statins:population based study"(BMJ 2013)
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鈴木 里佳子(研1)
症例1 「31歳時に診断に至ったKallmann症候群の男性の1例」
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症例2「QT延長を認めたACTH単独欠損症」
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7月

的場圭一郎先生が第17回日本適応医学会学術集会で最優秀演題賞を受賞しました。

的場先生、おめでとうございました。

喜びの声
この度は、日本適応医学会学術集会優秀演題賞という名誉ある賞を頂き、大変光栄に存じます。当賞の選考にあたられた先生方をはじめ、研究のご指導を賜りました宇都宮一典教授、関係者の皆様方に厚く御礼申し上げます。本研究は、糖尿病腎症の病態における細胞内シグナル伝達経路の役割に着目し、Rho-kinase阻害薬の糸球体硬化抑制作用について検討したものです。私達の研究室では、糖尿病血管合併症の発症と進展にRho-kinaseシグナルの活性化が深く関わるという仮説のもと、検証を進めています。もちろん、Rho-kinase阻害薬を血管合併症の治療薬として応用する試みは、基礎・臨床の両面でまだ多くの課題を抱えています。本学術集会でご指摘頂いた点をもとに、一つ一つ課題をクリアしていくことで、新たな視点を提供できればと考えております。今後ともご指導ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

7/13 90名が参加し、慈恵医大 糖尿病・代謝・内分泌内科同門会が東京會館で開催されました。

今年の3月で定年退官を迎えられた阪本要一教授、横山淳一教授、前田俊彦教授の退任記念セレモニーを行い、花束と記念品が贈呈されました。永い間、教室の発展にご尽力いただきありがとうございました。これからも我々後輩のことを温かく見守っていただき、ご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

7/18 医局説明会が開催されました。

学内外から多数の入局希望者が集まり、懇親会では医局員との間で積極的な議論を交わすことができました。一人でも多くの方が入局されることを希望致します。また、入局・見学に関する問い合わせは随時受け付けていますので、こちらからお気軽にご連絡ください。

今月のレジデント発表は次の2演題でした。

いずれも日常診療に直結する有意義な抄読会となりました。中田先生、亀山先生、素晴らしいプレゼンテーションをしていただきありがとうございました。指導医の林先生、辻野先生、お疲れ様でした。

中田達也(レジ1)"Cancer outcomes and all-cause mortality in adults allocated to metformin: systematic review and collaborative meta-analysis of randomised clinical trials" (Stevens et al. Diabetologia 2012)
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亀山愛子(レジ1)"Threshold-Based Insulin-Pump Interruption for Reduction of Hypoglycemia" (Bergenstal et al. N Engl J Med 2013)
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6月

6月6日 恩田美湖(院2)が「小児期発症1型糖尿病患者の診断から約25年後の通院先(小児科/内科)の検討~DERI Mortality Study」を発表しました。

恩田先生はこの内容を第73回アメリカ糖尿病学会でも発表されました。大変興味深く貴重な発表でした。活発な質疑応答が行われました。

6月13日 四病院合同グランドカンファレンスが開催されました。

今回は本院の担当で、「二次性高血圧の診断」をテーマに発表が行われました。泌尿器科の山田医師による副腎摘出術に関するレクチャーもあり、医局員一同大変勉強になりました。

6月21日-25日までシカゴにて第73回アメリカ糖尿病学会が開催されました。

当科からも院生を含む多くの演題が発表されました。若手の先生方もそれぞれに収穫のあった学会になりました。新たな課題を見出し参加者一同、充実感をもって帰国致しました。

宇都宮一典教授が糖質制限食について解説した記事が雑誌「Tarzan」6月27日号に掲載されました。

今月のレジデント・研修医の発表は以下の通りです。いすれも素晴らしい内容であり、質疑応答も堂々たるものでした。

竹田裕介(レジ1) "Association between fish consumption, long chain omega 3 fatty acids, and risk of cerebrovascular disease: systematic review and meta-analysis" (Chowdhury et al, BMJ 2012)
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平野 真理子(研1)"Association of smoking cessation and weight change with cardiovascular disease among adults with and without diabetes"(Clair et al. JAMA 2013)
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5月

5月16日~18日 第56回日本糖尿病学会学術集会が開催されました。

当科から多くの演題が発表されました。発表リストをご覧ください。また、熊本での開催でしたができる限り研修医やレジデントの先生方も参加していただき、勉強していただきました。当科では若手医師の積極的な学会発表・参加を推奨しております。

5月23日 みなとDM連携small meetingが開催されました。

病診連携推進のため、毎年行われています。近隣の医療機関の先生方をお迎えして今回は「DPP-4阻害薬の副作用」をテーマに勉強会を行いました。

今月の研修医発表は次の3演題でした。いずれも貴重な症例ばかりでしたが、素晴らしい発表でした。指導医の先生方もありがとうございました。

日向悠(研1)
「甲状腺機能亢進症と劇症肝炎の既往があり,抗GAD抗体著明高値にも関わらず発症に15年を要した1型糖尿病の1例」
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大橋崇史(研2)
「ネフローゼ症候群を合併したIgG4関連腎炎の1例」
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真島清実(研2)
「腫瘍摘出後に低血糖が改善したInsulin-like growth factor II producing non-islet cell tumor hypoglycemiaが疑われる一例」
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4月

4月11日 4病院グランドカンファレンスが行われました。本院と各附属病院の診療部長より新年度の抱負が語られました。

4月18日 マレーシア・Monnash大学から医学生のJames Ang君が3月から4月にかけて当科に短期留学していました。

6週間の実習で友達もたくさん作っていただき、充実した日々であったと確信しています。最終日に"Diabetes; Epidemiology, Diagnosis&Treatment. A Comparison Between Japan and Malaysia"と題して素晴らしいプレゼンテーションをしてくれました。
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4月27日 西村理明准教授の記事が「男の隠れ家」(朝日新聞出版)2013年6月号に掲載されました。

食後高血糖について西村准教授が解説しています。

今月の研修医・レジデント・実習生の発表は以下の通りです。

廣津貴夫(レジ1) ジャーナルクラブ"Nocturnal glucose control with an artificial pancreas at a diabetes camp." (NEJM 2013)
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石田秀也(レジ1) ジャーナルクラブ "Primary prevention of cardiovascular disease with a Mediterranean diet" (NEJM 2013)
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木下千夏(レジ1)  ジャーナルクラブ"Glucagonlike Peptide 1-Based Therapies and Risk of Hospitalization for Acute Pancreatitis in type 2 Diabetes Mellitus
A population-Based Matched Case-Control Study" (JAMA Inten Med 2013)
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塚原瞬(東邦大学6年生) 症例報告「膵炎によるインスリン分泌能低下の関与も考えられた2型糖尿病の1例」
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3月

3月14日 糖内賞発表会がありました。

基礎賞:金澤康 The Rho-kinase inhibitor fasudil restores normal motor nerve conduction velocity in diabetic rats by assuring the proper localization of adhesion-related molecules in myelinating Schwann cells. Exp Neurol 2013 in press.

臨床賞:辻野大助 A crossover comparison of glycemic variations in Japanese patients with type 1 diabetes receiving insulin glargine versus insulin detemir twice daily using continuous glucose monitoring (CGM): J COLLECTION (Jikei COmparison of Lantus and LEvemir with Cgm for Thinking Insulin OptimizatioN). Diabetes Technol Ther 2012. 14: 596-601.

症例報告賞:川浪大治 Successful Control of a Case of Severe Insulin Allergy with Liraglutide. J Diabetes Invest. 2013. 4. 94-96.

以上3名が今回の受賞者でした。それぞれの発表に対し活発な質疑応答がなされ、宇都宮教授より表彰が行われました。

3/22 西村理明准教授の記事が日経新聞に掲載されました

新しい持効型インスリン製剤であるデクルデクの可能性や、持続血糖モニターを用いた低血糖に関する研究についての西村准教授のコメントが紹介されています。

また、今月の研修医発表は以下の通りです。

渡部淳子(研2)「糖尿病性足壊疽・胸壁膿瘍・化膿性脊椎炎を合併した2型糖尿病の一例」
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近藤達弥(研2) 「NASHを合併した高度肥満の2型糖尿病症例」
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常泉百合(研1) 「糖尿病ケトアシドーシスを発症し、ストレスと睡眠不足が増悪因子と考えられた2型糖尿病の1例」
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山村菜実(研1)「高トリグリセリド血症と膵炎の既往があり、LPL欠損症と診断された2型糖尿病の1例」
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榊原玲子(研1)「腎機能低下を合併した2型糖尿病の一例」
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2月

2/21 4病院合同グランドカンファレンスが行わました。今回は、本院の担当でしたが「DPP-4阻害薬による副作用の検討」をテーマとして、自験例を中心に基礎的・臨床的検討を加えました。活発な討論が行われました。

2/22-23 森豊准教授が第27回日本糖尿病・肥満動物学会年次学術集会の会長をつとめました。

今月のレジデント・研修医の発表は以下の通りです

2/4 宮崎亮佑(レジ1)が”Statin Use and Reduced Cancer-Related Mortality” N Engl J Med 2012を抄読しました
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2/7姜錬偲(レジ1)が"Use of dipeptidyl peptidase-4 inhibitors and the reporting of infections: a disproportionality analysis in the World Health Organization VigiBase" Diabetes Care 2011を抄読しました
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2/14猪川祐子(レジ1)が”Carotid intima-media thickness progression to predict cardiovascular events in the general population (the PROG-IMT collaborative project): a meta-analysis of individual participant data” Lancet 2012を抄読しました。
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2/25 鈴木隆介(研2) 「記憶障害をきたした糖尿病ケトアシドーシスの一例」を発表しました。
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2/28 奥野翔(研1)が「HbA1cとグリコアルブミンの乖離を契機に異常ヘモグロビン症と診断された一例」を発表しました。
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いずれも優れた発表ばかりでした。特に猪川先生の抄読会は反響が大きく印象的でした。症例報告も研修医の先生方が経験した症例を大切にまとめてくれ、すばらしい考察が続きました。これからも頑張ってください。

その他、第7回Cardio-Diabetes研究会で鈴木博史(院3)がポスター発表しました。

1月

1/26 第50回日本糖尿病学会関東甲信越地方会がパシフィコ横浜で行われました。


当科からも一般演題やランチョンセミナーなど多くの演題が発表されました。発表演題はこちらをご覧ください。また田嶼尚子名誉教授が特別講演「日本糖尿病学会関東甲信越地方会50周年を迎えるにあたって」を行いました。


また今月の医局会では下記の発表が行われました。

①研修医発表

1/21 大和田彬子先生(研2) 左頚部膿瘍により敗血症を認めた糖尿病の一例
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1/28 齋藤聡子先生(研1) CTと副腎サンプリングで局在の逆転した原発性アルドステロン症の一例
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1/31 永峯翔太先生(研1) 眼底出血を伴った糖尿病網膜症を契機に2型糖尿病と診断された一例
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いずれも2か月間のローテーションを有終の美で飾る素晴らしいプレゼンテーションでした。今後の学会・論文発表が期待されます。

②大学院生発表

1/17に鈴木博史先生(院3)が糖尿病性心筋症に関する研究、1/24には木下淳先生(院3)が糖尿病神経障害に関する研究の進捗報告をそれぞれ行い、活発な討論が交わされました。