診療内容
糖尿病診療の特色
糖尿病診療では、伝統と実績をもつ施設です。糖尿病に関して、診断から治療、合併症の管理に至るまで、あらゆる領域に対応できる糖尿病学会の認定専門医・認定指導医を擁しております。特に、インスリン療法を中心とした薬物療法、患者教育、合併症の管理に力を入れており、関連診療科の眼科、循環器内科、腎臓・高血圧内科、産科との密接な連携のもとに、質の高い診療を実践しています。また、インスリンポンプ、持続血糖モニター等の先進医療に関しては、我が国をリードしてまいりました。当診療科より、多くの優秀な実地医家を輩出しており、このネットワークを生かして、有機的な病診連携を行っています。
診療内容と実績
- 現在定期的に通院中の糖尿病患者は、約5000人、うち1型糖尿病は約1割。通院圏は、東日本ほぼ全域に及んでいます。
- 外来管理では食事療法のみ30%、経口血糖降下薬での治療40%、インスリン療法30%。インスリン強化療法に力を入れており、血糖自己測定は1976年に世界に先駆けて開始しました。持続血糖モニターに関しても2006年から個人輸入の形で使用を開始するなど、糖尿病の先進医療に関して多くの実績を誇っています。
- インスリン製剤や経口薬など新薬の臨床治験ならびに医療技術の開発には、治験管理専門のスタッフによる環境のもと、積極的に取り組み、最先端の糖尿病診療に貢献しています。
- 糖尿病による合併症の増加・重篤化を見据えて、糖尿病認定看護師、糖尿病療養指導士を交えた包括的なチーム医療を行っております。
- 動脈硬化症に対して、超音波、CT、MRI検査や、必要に応じて循環器内科との連携によりカテーテル検査を行い、その発症予防ならびに治療を行っております。
- 糖尿病患者会「愛宕会」は、会員相互の交流のみならず、東京都糖尿病協会の中心的存在として、糖尿病の社会的啓蒙活動にも積極的に参加しています。1型糖尿病の管理には、社会医学的見地からのケアーを重視し、これを支援する体制として患者会「愛宕会」の傘下に、1型ならびに若年発症糖尿病患者のための「ブルーサークル」を組織し、スタッフ全員で指導にあたっています。 さらに、院外にも開放した糖尿病学習会や公開講座を開催しています。
- 他の附属病院(調布、柏、葛飾)のほか、関東、東海一円の糖尿病専門医療機関にスタッフを派遣しています。
(西村 理明)
内分泌疾患に対する診療の特徴
ホルモンとは生体内環境のバランスの維持に不可欠な生理活性物質ですが、このホルモンの過不足によって起こる病気が内分泌疾患です。私たちの体内では、視床下部・下垂体から性腺に至るまで多くのホルモン産生臓器で異なった作用をもつホルモンがたくさん産生されており、そのため内分泌疾患でみられる症状はきわめて多彩であり、確定診断まで時間を費やすケースも稀ではありません。当科では内分泌専門医による内分泌疾患の的確な診断とそれに基づく適切な治療を患者さんに提供するため日々研鑽に励んでおります。
(山城 健二)